サロンでのヘアカラーとセルフでのヘアカラーの決定的な違いについて解説します

ヘッドスパが評判の美容室、プリマヴェーラ神楽坂です。

今回のコラムは、お客様に聞かれることの多い「サロンでのヘアカラー」「市販で売られているセルフカラー」との違いについて、様々な視点から解説したいと思います。

ここでは分類的に「永久染毛剤」と呼ばれる種類のヘアカラー剤についての解説になりますので、ヘアマニキュアやヘナ、カラースプレーなどとは異なりますのでご注意ください。

 

サロンで使用するヘアカラーと市販のヘアカラーの成分的な違い

まずは成分的な違いです。髪を染めるための成分はほぼ同じで、「ジアミン」という化学染料が含まれています。この「ジアミン」は様々な種類があり、その種類をどう組み合わせるかで染めることができる明るさや色が決まります。

一番大きな違いは「アルカリ剤」です。サロンで使用するヘアカラー剤に配合されているアルカリ剤は「アンモニア」であることが多く、ツンとした匂いがします。このツンとした匂いが嫌だという声も多く、市販のカラー剤ではこのツンとした匂いを避けるために「アンモニア」ではなく「モノエタノールアミン」や「トリエタノールアミン」といったアルカリ剤を使用していることが多いです。これらはツンとした匂いがしない代わりに、髪にアルカリが残留しやすく、ヘアカラー施術後に髪を傷めてしまう原因になります。

アルカリ剤の種類 メリット デメリット
サロンカラー剤 アンモニア アルカリが揮発しやすい(残留しにくい) ツンとした刺激臭がする
市販カラー剤 モノエタノールアミン

トリエタノールアミン

匂いが比較的少ない アルカリが揮発しにくい

(残留してダメージの原因になる)

染める際の髪へのダメージはさほど変わらないですが(染める前の髪の状態にもよる)、ヘアカラー後のダメージ蓄積に関しては大きな差が出てきます。

 

サロンで使用するヘアカラーと市販のヘアカラーの技術的な違い

次に技術的な違いです。市販のヘアカラーを使用する場合は自分で塗るか、家族や友人に塗ってもらうことがほとんどだと思います。美容室で行うヘアカラーは、知識と技術を習得したプロである美容師が行うので下に紹介したような技術的な違いが出てきます。

 

1、既に染まっているところと染まっていないところの塗り分けと髪の状態に合わせた薬剤選定

ヘアカラーをまったくしていない状態の髪に行うのであれば、市販カラーでもサロンカラーでも大きな違いはないかもしれません。それは一つのカラー剤で髪全体に塗布しても、根元から毛先までダメージ状態に大きな違いがないからです。(厳密には毛先の方が多少ダメージは進行しています。またパーマや縮毛矯正、ドライヤーやヘアアイロンの頻度によってもダメージ状態は異なりますので注意が必要です。)

しかし、既にヘアカラーをしたことがあり、染まっているところと染まっていないところがある状態ですと、根元から毛先まで同じ薬剤をいっぺんに塗ってしまうのは、髪にとって良いことではありません。

サロンでヘアカラーを行う場合、根元と毛先の色やダメージの状態を確認し、最終的になりたい色を踏まえながら根元と毛先それぞれのヘアカラー剤のレシピを作ります。根元と毛先でまったく違うヘアカラー剤の配合にすることもザラにありますし、毛先に塗るヘアカラー剤は比較的髪に優しいタイプのものを選ぶことがほとんどです。市販のカラー剤は種類が限られていることや、塗る人が自分もしくは美容師ではない方が行うため、塗り分けすることが難しいといえます。結果、思った通りの色にならない、必要以上に髪にダメージを与えてしまう結果になることが多いのです。

 

2、ヘアカラー前後のトリートメント処理

ヘアカラーは、髪にもともとあるメラニン色素を分解し、代わりに色素を入れることで髪の色を変える技術です。メラニン色素を分解する際に、それ以外の必要な栄養分まで外に流出させてしまうこともあります。サロンで行うヘアカラーの場合、その流出してしまう栄養分を補給しながら行っていきます。

また最初に紹介したように、ヘアカラー剤には「アルカリ」が含まれており、ヘアカラーをした後の髪は「アルカリ性」になってしまいます。一般的に肌や髪はpHが4.5〜5.5の「弱酸性」の状態が良いとされており、「アルカリ性」のままですとダメージが進行していってしまいます。そこでサロンでのヘアカラー後には、髪に残ったアルカリを除去し「弱酸性」の状態に近づけるトリートメントを行います。

 

サロンでのヘアカラーはただ薬剤を塗っているだけではありません

このように一言でヘアカラーといっても、サロンで行うヘアカラーと市販のヘアカラーを自分で塗るのとでは大きな違いがあります。また、ヘアカラーという化学的な処理を髪に施す以上、サロンで行ったとしてもダメージを「0」にすることは理論上不可能です。その中でわたしたち美容師は、できるだけダメージを最小限にし、お客様の希望の仕上がりにするために、カウンセリングから薬剤選定、前後のトリートメント処理に至るまで様々なことを行っています。

市販のカラー剤で染めることと比べたら、サロンで行うヘアカラーは高いと感じられるかもしれません。しかしその価格は「お客様のなりたい色を最小限のダメージで」という価値を提供するために行っていることを反映させたものになっているのです。

定期的に繰り返し染めたい、いつまでもヘアカラーを楽しんでいたい、ヘアカラーをしてもきれいな髪でいたい、という方にはサロンでのヘアカラーをおすすめします。

 

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この記事を書いた人

プリマヴェーラ 神楽坂
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