ヘッドスパが評判の美容室、プリマヴェーラ神楽坂です。
今回のコラムは、前回に引き続きヘアカラー関連でお客様からよくあるご質問、「白髪染め」と「ファッションカラー」に違いはあるか?についてです。
まずは解答から。厳密にいうと違いはありません。
結論から言いますと、違いはありません。薬剤は同じ「永久染毛剤」と呼ばれるカラー剤に分類され、染まるメカニズムも同じです。
しかしなぜかこの「白髪染め」と「ファッションカラー」はまるで違うヘアカラーのように表現されることの方が多いのです。美容室のメニュー表記でも「白髪染め」とか「ファッションカラー」とされることも。
確かに、カラー剤の塗布のテクニックとして「白髪染め」と「ファッションカラー」を分けることはありますが、ただそれだけです。美容室でのメニュー表記の違いは、この塗布テクニックの違いからきているのかもしれません。
では何が違うのか?
ではこのように表現されることの多い「白髪染め」と「ファッションカラー」ですが、いったい何が違うのでしょうか?
答えは「明るくする力」と「染める力」です。
ファッションカラーはもともとの髪色を明るくしつつ、多少の色を発色させて希望の髪色を表現するヘアカラーです。もともと黒髪であったり、茶色の髪であったりすることが多いので、そこに色を入れるだけの「色素量」だけでいいのです。
対して「白髪染め」は白い髪に茶色を入れつつ、残っている黒髪を明るくし、全体を均一の色に見えるようにするヘアカラーです。髪が全て白髪の場合や、仕上がりの色が真っ黒というような場合はさほど問題ないのですが、「地毛よりも明るく、白髪はしっかり染める」という場合は難しくなってきます。仕上がりの希望が明るくなればなるほど難しくなります。なぜなら、「黒髪を明るくすること」と「白髪を染めること」は相反する行為だからです。
明るくする力を強くするほど茶色く染める力が弱まります。逆に茶色くする力を強くすると、明るくする力が弱まります。
明るくする力というのは、髪にもともとあるメラニン色素を分解する力のことで「脱色」といいます。これの一番強い行為がブリーチです。
ヘアカラーには少なからずこの「脱色」が行われ、その後希望の色を入れるために「発色」が行われます。
「白髪染め」と「ファッションカラー」の違いは絵の具の色の違い
この「発色」をわかりやすく表現すると、「絵の具の色の違い」といえます。白い髪を茶色にするためには比較的濃い色素が必要ですが、もともと茶色が残っている髪には濃い色素は必要ありません。
このように、白髪染めとファッションカラーの違いは、単にそのカラー剤に含まれている色素が「濃い」のか「薄い」のかの違いであるだけなのです。(明るくするためのブリーチ力はまた別ですが)
「白髪染め」というネガティブな言葉
「白髪染め」という言葉はネガティブな表現なのかもしれません。日々営業していてお客様から、
「そろそろ白髪染めにしなくちゃダメかしら?」
というご相談をされることがあります。その言葉には決して「喜び」や「嬉しさ」を含まれてはおらず、どちらかというと「残念」という感情が伝わってきます。
なのでわたしたちは「白髪染め」や「ファッションカラー」という表現の仕方はせず、あくまで「ヘアカラー」として、現在のお客様の髪の状態を踏まえて、「白髪も染まるカラー剤」を使うのか、「明るくすることをメインとしたカラー剤」を使うのかで判断させていただいており、全て「ヘアカラー」だと説明しています。
このことも踏まえ、プリマヴェーラ神楽坂のメニューには「白髪染め」という表記は使っておりません。全ての方に伸びた分だけをカバーする「ナチュラル・カラー」と髪全体を染める「フルカラー・チェンジ」というメニューで対応させていただいています。
今ある現状をネガティブにとらえず、ヘアカラーを楽しんでほしい。それがわたしたちプリマヴェーラ神楽坂の願いです。
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