ヘッドスパが評判のプリマヴェーラ神楽坂です。
今回は雑誌やテレビのコマーシャルなどでよく耳にする「キューティクル」について、少し詳しい解説をしたいと思います。
まずは毛髪の構造から
キューティクルを語る前にまず毛髪の構造について触れておきます。
毛髪はおおざっぱに言いますと主に3つの構造になっています。
- 一番中心の「メデュラ(毛髄質)」
- 真ん中部分の「コルテックス(毛皮質)」
- 一番外側の「キューティクル(毛小皮)」
という3つです。よく私たち美容師が毛髪について勉強するときに用いるのが「のり巻き」。
一番外側の「のり」の部分がキューティクル、真ん中の「ゴハン」の部分がコルテックス、中心の「具」の部分がメデュラという表現です。形も同じ円柱状で伝えやすいし覚えやすいんですよね(笑)
ちなみに図にすると下のようになります。
で、今回詳しく解説していくのはこの「のり」の部分、キューティクルです。
キューティクルの構造と役割
キューティクルは毛髪のダメージに大きく関わっており、毛髪内部の間充物質などを流出させない「フタ」の役割と、毛髪の中身を外部から守る「盾」の役割を持っています。そのためキューティクルが剥がれおちてしまうと、その「フタ」と「盾」の役割が弱くなり、「本来無くてはならない内部の成分が流出しやすく外からの影響を受けやすい」毛髪になってしまうということです。
- キューティクルの特徴を以下のようにまとめました。
- 通常は4〜6枚のキューティクルを持っている。
- 1枚のキューティクルは8層構造になっている
- 毛髪内部を保護している。ただし硬くてもろい性質。
- ケラチンタンパクからできている。
- キューティクルが剥がれることでダメージは進行する。
よく「ケラチン配合」と書かれているヘアケア商品が多いのも、キューティクルがケラチンタンパクからできているからということも関係しています。
キューティクルの損傷により、毛髪内部にとどめておく力、外部から毛髪を守る力を失うことにより、無防備になった毛髪のダメージがどんどん進行してしまうということ。まさにキューティクルは毛髪にとって「ガードマン」のような存在ということです。
キューティクルはどんな原因で損傷するのか
ではどのような原因でキューティクルが損傷していくのかを解説します。
紫外線による損傷
肌が紫外線を浴び続けると日焼けをして火傷のような状態になるように、毛髪も紫外線を浴び続けることによりキューティクルが損傷を受けてしまいます。
最近は肌に塗るUVカットのような、毛髪用のUVカットスプレーなども開発されています。
物理的なものによる損傷
過度なシャンプー、過度なブラッシング、濡れた状態での摩擦などによるキューティクルの損傷も考えられます。それぞれ過度に行うことは避けることが大事です。
薬品による損傷
パーマやカラーなどの際に使用する薬剤には「アルカリ」や「還元剤」が含まれています。この「アルカリ」や「還元剤」などによってキューティクルが損傷してしまいます。
現在では毛髪を保護するトリートメントや、悪さをする「アルカリ」や「還元剤」などを毛髪から除去する薬剤も開発されています。プリマヴェーラ神楽坂でも使用しており、パーマやカラー施術時の毛髪のダメージが最小限になるようにしています。
毛髪の細胞は生きていない
毛髪は「死活細胞」と言われており、頭皮から生えた時点で生きた細胞ではなくなっています。皮膚などは生きた細胞でできているので、怪我をしたりすれば体が自分で回復するようになっていますが、毛髪はそうではありません。もし毛髪が生きた細胞でできていて神経なんかが通っていれば、美容室で髪を切るときに悲鳴がそこらじゅうで聞こえるかもしれないですね(笑)。
イメージとしては、「100」の状態で生えてきた毛髪は「100以上」になることはなく、「100」の状態から減っていくだけです。なので健康な毛髪を維持するということは、いかに「100」の状態から減らさないようにケアするかということになります。
毛先にダメージが現れやすいのもこれが原因です。10cmの毛髪があった場合、毛先の方の毛髪は外的な影響を約10ヶ月も長く受けていることになります。
キューティクルを健康な状態に少しでも維持するには
では決して自分で回復することはない毛髪を、少しでも健康な状態に保つために有効なことを紹介します。
濡れた状態でいないこと
お風呂などの後に乾かすのは面倒ですよね。特に夏場なんかは暑いのでなおさらです。でもそこは健康な髪のため、乾かすようにしましょう。毛髪が濡れた状態では、自然とキューティクルが開いた状態になりダメージを受けやすくなっています。できるだけ早く乾かすことでキューティクルが整い、剥がれにくくすることができます。キューティクルとは関係ないですが、濡れたままだと頭皮に細菌が発生しやすくなるようです。毛髪だけではなく頭皮にもよくない影響が出てしまいます。
過度なシャンプーやブラッシングをしないこと
ここでいう過度なシャンプーとは、雑な洗い方をしないという意味です。全然泡立っていな状態で洗ったり、力任せにゴシゴシ洗うと、摩擦によるキューティクル損傷の原因になります。
また、乾いた状態での乱暴なブラッシングも同様です。できるだけ丁寧にとかすようにしましょう。
ケミカルダメージを最小限にすること
極論を言ってしまうと、パーマやカラーをしなければ、薬剤によるキューティクルの損傷を防ぐことができます。でも美容師がそれを言ってしまっては元も子もないので(笑)、できるだけダメージを最小限に抑える施術を行うことと、ご家庭でのホームケアが大事になってきます。
当店で行う施術では、前後にしっかりとケアしながら施術をしていきますのでご安心ください。不安であればスタッフに一声かけていただければ、より詳しく説明させていただきます。
ご自宅でのホームケアも、髪質と施術の内容を踏まえたアドバイスをさせていただきますので、スタッフにご相談ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?毛髪の中でもダメージに影響が大きいキューティクルについて説明しました。キレイなヘアスタイルはまず毛髪の健康があってこそ。ダメージが蓄積されてしまうと、やりたいデザインの幅も狭くなってしまいます。
健康な毛髪を維持するために、キューティクルを大切にしていきましょう!
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